2019-01-01から1年間の記事一覧
(はてなブログでMathjaxを使うとギリシャ文字を含む文章が読み込まれなかったりするという不具合があるそうです。何回かリロードあるいはPC版サイト表示などを試すと読み込まれると思います)本稿はDummitによる1991年の論文"Solving solvable quintics"で…
を体、を(相異なる)変数、をの次基本対称式とする。本稿で示したい定理は以下である。[定理] 有理対称式は基本対称式の有理式で表せる通常の対称式の基本定理と呼ばれるものは対称「多項式」に関するもので、表現の一意性までを含めて主張している。今回扱…
巡回多項式とは簡単に言えば一つの根をもって他の根をその多項式で表せるような特別な多項式のことである。これについては period-mathematics.hatenablog.com で詳しく取り上げているが、そこの主定理によると既約多項式に対して、それが巡回多項式であるこ…
本稿はhttp://repository.hyogo-u.ac.jp/dspace/bitstream/10132/1612/1/ZD30301003.pdfの前半の内容で述べられているの可解な可移部分群の決定の行間を埋めたものである。以下「」でがの部分群であること、「」で部分群が共役であることを表す。 唐突だがの…
「与えられた多項式のガロア群を求めたい」という古典的欲求に応えるものとして今日では計算機が役に立つが今回はPARI/GPというものを採用したいと思う。これについてはperiod-mathematics.hatenablog.comでも「アルゴリズムの計算の実例」という節の始めで…
可解群の定義は交換子列が有限でとまる(最後が自明になる)という記述がよく群論の教科書では採用されているように感じる。しかし本によっては交換子の概念を出さずにやっているものもある(特にガロア理論に関する啓蒙書でよく見る気がする)。具体的には…
まず次の問題を見てもらいたい。 2017年の早稲田大学の入試問題である。解答は適当に検索すると例えばhttp://nonoishi.web.fc2.com/entexam/nyuusi17-1.pdfが見つかる。そこには、その根はと書いてある。 この特別な多項式を「巡回多項式」、をその「巡回関…
本稿では次の問題を考える。 ”を代数体上で因数分解するにはどうしたらよいか?” これに対する答えとなるアルゴリズムがhttp://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kyodo/kokyuroku/contents/pdf/0722-02.pdfの始めに載っている。ここではそれの証明および計算の実例…